こんにちは。
今回はWeb制作フリーランスの活動を本格的に始めて半年ほど経って挫折し辞めた僕が、実際にやってみて辛かったところや良かったところを紹介していきます。
前提として僕はフリーランス向きの人間じゃなかった。
そもそも、「なんか就職するのめんどい」という理由でこの道を選んだような私が言うことです。
あくまで参考程度で鵜呑みにはしないでください。
また、一般的に当てはまるものもあれば、僕個人にしか当てはまらないものもあります。
その中から参考になりそうなところだけ拾って持って帰ってください。
満足に稼げなかった
やっぱりかと思うでしょうがこれが一番大きな理由です。
月の稼ぎは大体10万円くらいです。
主にクラウドソーシング、そこからの繋がりでお仕事を貰っていました。
仕事内容はLPやコーポレートサイトコーディングが多く、作業量は1案件2~5日かかるものが月に3,4件といったところです。
空いた時間は営業活動やバイトをしていました。
単価は振れ幅も大きく仕事がとれずに困っているときはLP1ページ6,000円とかで受けたりしていました。
正直これは失敗だと思っています。
値段って高いところから低いところにいくのは簡単なんですが、低いところから高いところにいくのって難しいんですよ。
なので初回に安請け合いしてしまうとずっとその値段でやることになってしまいます。(多少アップしてくれることもありましたが微々たるものです)
WordPress案件はクラウドソーシングでは競争が激しく数も多くないので受注が難しいです。
単価はそこそこ良さげなんですが、競争になると未経験では厳しいものがありました。
こんな感じで金銭的に結構厳しい感じでした。
月10万円を年収にすると120万円です。
ちょっと笑えないですよね・・・
稼げなかった理由は僕のスキル不足なんかもありますが、基本的にWeb制作という分野、特に未経験でも受注できるような案件は単価が高くありません。
なので稼げない。
これが僕が経験してわかったことです。
Web系で稼ぐなら
Reactやバックエンドをゴリゴリに書いてWeb開発の案件を受ける、
もしくは私のような立場の人間に仕事を投げるディレクター業に進む
とかですかね。
でも正直フリーランスでそこを目指すなら普通に制作会社に就職してスキルアップするのが近道だと思います。
フリーランスはやることが地味に多くてコーディングに集中できないこともあるので。
低単価で消耗する
「稼げない」に重なる話なんですが、低単価で仕事を受けていると体力的にも気力的にも消耗します。
「こんだけやって1万円も稼げない」
「時給換算すると500円くらいじゃん」
みたいなことを心の中で何度も言っていました。
もちろん僕の仕事の取り方が悪かったというのはあります。
ですがフリーランスという弱い立場の中でも業界未経験ともなるとしょうがない部分もありました。
少額でも目先のお金が必要なこともありますので。
僕個人としては自分で選んだ道なので「まぁしゃーないか」と最終的には落ち着いていましたが、あなたがもし迷っているのであれば一度よく考えてください。
Web制作フリーランス一本で安定して稼ぎ続けるのは難しい
恐らくあなたはTwitterなどのSNSで
「Web制作で月50万円」
などの謳い文句に惹かれたのだと思います。
私もその影響を受けた部分はあるので気持ちはわかります。
しかし、Web制作で月50万円をコンスタントに稼ぐのは無理とは言いませんがかなり厳しいです。
毎月50万円分の案件を取り続けるのに必要な営業活動と作業を継続していかなければなりません。
正直そんなにおいしい話がゴロゴロ転がっているとも思えないので、よっぽど腕がいいか抜群の営業力がないと無理です。
SNSで発信している人たちも結局のところ、Web制作だけで稼ぐのがきついからインフルエンサー活動に注力しているのです。
コーディング以外の作業が予想よりも多くてイヤだった
当たり前の話なのですが、フリーランスは1から10まで全て自分でやる必要があります。
具体的には
- 営業
- 打合せ
- 見積り作成
- 発注書を受け取ったら請書作成
- 実作業
- 納品(納品書作成も)
- OKが出れば請求書作成
- 料金を受け取ったら領収書作成
1つの案件の流れは大体こんな感じです。
このほかにも経理作業があります。
この作業たち、見積り以外はひとつひとつでみればそんなに時間もかからないし大変でもありません。
でも、僕にとっては非常に煩わしかった。
というのも、いわゆるシングルタスク人間なので、これと決めたこと以外は極力やりたくないし力が入らないタイプです。
あなたが似たようなタイプであればフリーランスは向いていないかもしれません。
営業が特に辛かった
上記の作業の中でも営業が特にキツかった。
毎日クラウドソーシングの価格競争で消耗し、地元や近くの地域の制作会社へ返信率の低いメールを送る。
特に返信率の低い営業メールはやっているうちに「どうせ返ってこない」とか思えてきて辛かった。
もちろん返信率を改善するためにブログやnoteを読み漁りました。
でも、返ってくるのは1割程度。また、その1割も「今は手が足りてます」なども多かったです。
営業活動は収入に直結する分、下手したらコーディングよりも大切です。
もちろんサイト制作できる程度のコーディング技術は必要ですが、フリーで食っていくなら営業力というのが必要不可欠になってきます。
なので、あなたが「営業はちょっと・・・」というタイプなら苦労するでしょう。
単発の仕事の繰り返しで残るものが少ない
僕がやっていたのはデザインデータを貰ってコーディングして提出してOKがでたら終わりって仕事です。
このモデルの問題点はどれだけやっても楽になっていかないということ。
コピペの材料が増えていくので多少は楽になるのですが、ピクセルパーフェクトを狙うとどうしても個々の調整が必要になってきます。
なので作っても作っても楽にならない。
手元に残るものが多少の材料と案件によりますが、ほんの少し上達した技術くらいです。
一生手を動かし続けなければならない。
これに気が付いたときは結構ショックでしたね。
同じような感じなら時間給や会社員のほうが楽に収入を得ることができます。
立場が弱く仕事を選べない
今まで挙げてきた理由は”立場が弱いから”という理由が多くを占めます。
未経験、それも後ろ盾がないフリーランスは最弱なんです。
ドラクエでいうとひのきのぼうすら装備していない丸腰の状態、ダークソウルでいうと持たざる者です。
こればっかりは未経験フリーランスを目指すうえで誰もがぶち当たる壁。
発注する側に立って考えるとわかりきったことなんですが、腐るほどいる中で経験も保証もないような相手にお金を払ってなにか頼みたいとは思いませんよね?
もしそんな相手でもOKだとすれば、簡単な仕事でなおかつ格安で請け負ってくれるという条件になるでしょう。
なので消耗していく。
「いや、それで実績を積めば」と言う人もいますが、簡単な仕事の実績を並べてもあまり効果はありません。
結局、「この人に任せて大丈夫なのか?」という疑問を解消することが難しいのです。
質の低いデザイナーに当たると地獄
僕が言うのもおこがましいですが、クラウドソーシングで格安の案件となるとクライアントの質が悪い場合があります。
デザインデータではブレークポイントを設定しているのに、意味が分かってない、
「モバイルファースト?なんですかそれ」と返してくる
など割とひどいデザイナーさんもいました。
また、そういう方のデザインはコーディングのことを完全に無視しているの無駄に難易度が高かったり、デバイス間での配置が違うなど結構手間なことが多くかなりストレスがたまりました。
ぶっちゃけ部屋で「クソがっ」と叫んだこともあります。
気軽に相談できる相手がいないのは地味にキツイ
身近に相談できる相手がいないのは地味にキツかった。
わからないことがあれば何時間も調べることもありましたし、納期があるのでかなり焦りもあります。
こういうとき「経験やスキルが上の先輩がいればいいのに」と何度も思いました。
上級者に聞ける環境と自己解決しかない状況ではスキル習得にかなりの差がつくとおもいます。
もちろん相手の都合もあるのでなんでも聞くというのはNGですが、最終的に聞けるというのはかなりメンタル的に違ってくると思います。
teratailなどのQ&Aサービスもありますが、レスポンスが遅い、回答が得られないなどもあるのでやっぱり直接聞ける人がいるのは大きいです。
効率を考えるなら自宅での作業以外考えられない
フリーランスに憧れる理由のひとつとして、場所が自由というのがありますよね?
僕もそこに惹かれました。
しかし、Twitterの人たちのように好きな場所に飛び回りながらというのは考えられません。
なぜなら結局自宅作業が一番効率がいいからです。
快適なネット環境に複数のディスプレイ、移動時間もない。
これらを考えると自宅以外ない。
スタバで作業とかよくやってられるなと正直おもいます。
絶対効率悪いですもん(笑)
旅行しながらなどの幻想は捨ててください。
良かったこと
さて、ここまでイヤだったことや、辛かったことばかり語ってきましたが、もちろん良かったこともあります。
かといって未経験Web制作フリーランスをおすすめする気はありません。
でも、余暇時間にする副業としてならば結構いい体験ができるので一度やってみるのもいいかもしれません。
サラリーマンじゃ見えにくいビジネス全体が見える
会社組織ってのは分業が完璧にされていて、自分の担当している業務以外が見えづらくなっています。
そのため今やっている仕事がどのように発生して、最終的にどうなるのかなどが認識できていないという人も多いです。
例えば、車を作っている工場で塗装をやっているけど、車を作っているという意識が希薄だったり。
洋服を売っているけどこの服がどうやって出来て、どこから運ばれてきたのかは知らない。
このようにひとりひとりが見える範囲が非常に狭いです。
フリーランスは基本的にすべてを一人で行っていくのでビジネスの全体を経験することができます。
- なぜこれが求められているのか
- この仕事を受けるためにどれだけのコストがかかったのか
- 今なんのために商品を作っているのか
- 最終的にこれがどのように役に立つのか
など一通り学ぶことができました。
これは普通にサラリーマンをやっていたらなかなか経験できないことで、僕自身かなり視野が広くなったと実感しています。
お金の大切さ、稼ぐことの本当の大変さがわかった
フリーランスをしてみてお金の大切さ、稼ぐことの難しさを本当に実感しました。
「1000円高ければ受注できないかもしれない」
「あと5000円上乗せできたな」
など値段設定をするうえでお金のシビアさを体験しました。
サラリーマン時代は経営陣が決めた大体の値段を使っているだけだったので、ここまでだと実感できていませんでした。
”商談して値段を決めて受注する”、単純ですが一番難しく、また勉強になりました。
これは誰かの作ったビジネスモデルに乗っているだけでは決して体験できないことでフリーランスをやって一番よかったと思えることです。
あなたにもこれだけは一度体験してほしいと思います。
将来的にどういった道に進むかはわかりませんが、無駄にならない経験になるはずです。
まとめ
つたない文章で若干愚痴っぽい部分もありましたが以上が僕がWeb制作フリーランスを半年やってみて得た感想になります。
今Web制作フリーランスを目指している、考えているという人にはハッキリ言うとおすすめしません。
きっと思い描いているようなキラキラしたものではなく、消耗してボロボロになるのがオチです。
僕がそうだったように・・・
「いや、俺はお前とは違うよ」とあなたは思うかもしれない。
たしかに僕は根性もなく適当な理由で始めました。
でも、一応ですがWordPressのテーマ化、JavaScriptでスライダーやスムーススクロール、スクロールアクションなど一般的にサイトであれば仕上げることができます。
それでもやっぱり稼げなかった。
WordPressなんかも無料でそこそこの見た目になるテーマも多いですし、いわゆるノーコードツールなど便利なものがそろってきているので単価が低くなるのはしょうがないんですよね。
だから、技術を磨くしかない。
でも、それならフリーランスを最初の選択に入れるべきじゃありません。
制作会社に入社してゴリゴリにコードを書いて成長するのが近道です。
僕のように安易な考えでフリーランスを選ぶのは辞めましょう!